ASMRの心地よさは測れる?立体感と刺激を数値化するスコアの正体
ASMRの「心地よさ」の数値化の裏側をお話しします。没入度・刺激度・睡眠安全性の3軸は、実は音の物理的な解析値から算出しています。このスコア算出ロジックは私たちの事業の核であり、感覚で変えないと決めています。
3つの指標で音を分解する
当サイトでは、ASMR作品を独自のスコアで0〜100の分かりやすい数値に丸めて表示しています。ですが、その中身は適当につけた点数ではなく、音響量の純粋な実測値です。音の解析を通じて、主に「没入度」「刺激度」「睡眠安全性」の3つの軸を数値化しています。(参考:音響指標の読み方)
「すぐ耳元にいる」没入感の正体
没入度を測るために、私たちは「IACC」という指標を使っています。これは左右の耳に届く音の相関(似ている度合い)を示す専門用語です。左右の音の違いが大きいほど、IACCの数値は変動し、「すぐ耳元で音がしている」ような強い立体感が生まれます。バイノーラル録音された作品では、この数値が顕著に表れます。
刺激度と「刺さる」音の測定
耳への刺激やゾクゾク感の強さは、「ZCR(ゼロ交差率)」という数値から算出しています。これは音の波がゼロの線をまたぐ回数を測るもので、高い音やノイズっぽさの指標になります。ZCRが高いほど、耳に刺激的な音と言えます。
また、「シャリッ」と耳に刺さるような独特の感覚(刺さり具合)は、心理音響学の「シャープネス」という指標で測っています。これは「acum(アキュム)」という単位で表され(ISO 532という国際規格になっています)、数値が高いほど鋭く刺さる音になります。
音の明るさと落ち着き
さらに、「スペクトル重心」という指標を使って、音の明るさや重心(Hz)も測っています。これは音の周波数の平均的な高さを表すもので、数値が低いほど重みのある落ち着いた音になります。就寝用に安全なASMRランキングなどでは、こうした刺激や明るさが抑えられた音が上位に来るようになっています。
感覚に頼らず数値を守る
これらの音響データを元に算出したスコアは、サイトの根幹をなすものです。だからこそ、「この音は良さそうだから点数を上げよう」といったように、パラメータを勝手に変えたりはしないと決めています。淡々と事実としての音のデータを提示し、皆さんが自分に合った音を探せるように、これからもメディア一覧での情報発信を続けていきます。
この日の学び
- サイトのスコア(没入度・刺激度・睡眠安全性)は、IACCやZCRなどの純粋な音の解析値からできている。
- 立体感は左右の音の違い、刺さる音はシャープネスといった具体的な指標で説明できる。
- 独自の算出ロジックは事業のコアであり、感覚でパラメータを勝手に変えない運用が重要である。